というものがあります。

もちろん、これらの治療で痛みが改善していくケースもあります。

ですが、その時の痛みは緩和されても根本改善されているわけではなく、また再発して繰り返してしまうこともあります。

保険治療だと痛みが出ている所にしかアプローチが出来ないことが多いです。
ですが、痛みが出ている所に痛みの原因となっていることは少ないのです。
結果として足底部に痛みが出ていることが多く、他の場所に原因があることの方が多いので
その場所を見極めそこを治療してあげることの方が根本改善に繋がります。

足部の骨は両足で52個存在し、足部全体では33個の関節によって複雑に連結されています。
これらは互いに微妙な動きを調整しながら、立位や歩行時の衝撃を吸収し、安定した荷重バランスを保っています。

しかし、そのうちの一つでもアライメント（骨配列）が乱れると、足底全体の荷重分散が崩れ、足底筋膜に過剰な引っ張りや緊張が生じます。

その結果として、足底筋膜に慢性的なストレスが加わり、炎症や痛みを引き起こす原因となります。

特に偏平足・ハイアーチ・浮指・外反母趾などの構造的な変化や重心の偏りがあると、足根部の各関節にかかるストレスが増大し、足底筋膜への負担がさらに強まります。

この状態が続くと、足底筋膜炎をはじめとする足裏の慢性痛や歩行時の違和感につながることがあります。

足底筋膜は単独で存在しているわけではありません。
実はふくらはぎ（下腿三頭筋）～太もも（ハムストリングス）～骨盤～背中へと連続する後方の筋膜ライン（バックライン）の一部として繋がっています。
この全身の筋膜の連動を「筋膜連鎖」と呼びます。

この筋膜連鎖の中で、特にふくらはぎや太もも裏、骨盤周囲の筋膜が硬くなると、その緊張が連鎖的に足裏まで波及し、足底筋膜が常に引っ張られた状態になります。

その結果、
・立位や歩行時に足底への負担が増す
・着地の衝撃を吸収できず炎症が悪化する
・一時的に良くなっても再発しやすい
といった悪循環が起こります。

このように足底筋膜は、単なる「足のトラブル」ではなく、全身の筋膜バランスの乱れから生じる機能的な問題でもあります。

足底筋膜の多くは「歩き方」や「姿勢バランス」の崩れが大きく関与しています。
本来、歩行時の荷重は「踵➔足の外側➔親指の付け根」へとスムーズに移動し、足底全体で衝撃を分散しています。

しかし、姿勢や筋バランスが崩れるとこの体重移動（重心移動）が偏り、足底の一部に過剰なストレスが集中してしまいます。

・骨盤の歪みにより片脚への荷重が偏る
・猫背や反り腰により重心が前方・後方にずれる
・足趾をうまく使えず、地面をつかめていない（浮き指）
・膝や股関節のねじれによって歩行軸が乱れている

これらの状態では、足底筋膜が本来の動きを失い、「体のバランスを支えるために常に緊張している」状態になります。

その結果、歩くたびに足底筋膜に微細な損傷が蓄積し、炎症や痛みを引き起こすのです。